株式会社スクウェア・エニックス様|0x Consulting Group サービス導入事例

「web3があってよかったよねと言えるのものを広げることが、市場的に必要だと思いますし、それを0xCにやってほしいですよね」

(写真左より豊田氏、玉手氏、川口、岩井氏)

「WHY web3?」

web3の業界にいると、耳にタコができるくらい出会う言葉です。なぜNFTである必要があるのか、暗号通貨でなければできないことはなんなのか?その必要性に頭を悩ませている事業者も多いのではないでしょうか?

弊社は、株式会社スクウェア・エニックス社のNFTアートプロジェクト『SYMBIOGENESIS』を、唯一のマーケティングパートナーとして2022年から支援してきました。

両社は「web3ならではの新しいエンターテイメント体験」を一緒に追求し、ユーザーの皆様に届けてまいりました。

今回は、プロデューサーの玉手氏、クリエイティブディレクターの豊田氏、マーケターの岩井氏に、0x Consulting Groupのコンサルティングサービスを受けてみて、どのように感じていたのかお話を伺いました。

目次

この記事のサマリ

導入前の課題と0xCを選んだ理由

  • web3文脈でのDiscord活用にノウハウがなく、日本の企業でも導入している事例が当時は少なかった。
  • その中で、モックアップ(Discord導入後の運用イメージ)を具体的に提示してくれたのが決め手となった。
  • Discordの企画時に仕様について具体的に、「これができる」「これができない」と仕分けして説明されたのがイメージが湧きやすかった。

評価しているポイント

  • NFTのマーケティング戦略を考える上で、スペシャルアドバイザーの誘致と、著名なNFTプロジェクトとの繋がりを初期のタイミングで作ってくれた点。
  • コンサルティング会社として「ソリューションとしてのコミュニティ運営サービス」を提供している点。
  • 0xC運営のコミュニティ「LGG」から参加したユーザーのエンゲージメントの高さ。

0xCをオススメしたい会社

  • ブロックチェーンの本質を追求して、社会にとって意義のあるユースケースを実現させたい会社。
  • これからブロックチェーンを使って何かしようとしているけど、まだノウハウや知見が浅い会社。
  • 上流の設計を丁寧に作り込みたい、アイデア先行ではなくロジックのある戦略を作りたい会社。

インタビュイーご紹介

  

SYMBIOGENESIS Producer:玉手 直之氏

いくつかのゲーム会社にてマーケティングやプロデューサーを経験。その後、2018年にスクウェア・エニックスに転職し、国内外のスマホタイトルなどのマーケティングに従事した後、現部署に移動し『SYMBIOGENESIS』のプロデューサーを担当。

SYMBIOGENESIS Creative Director:豊田 洋輔氏 

東京造形大学卒業後、University of the Arts Londonを経て、ニューヨークParsons School of Designに留学。帰国後、大手ゲーム会社に企画職として入社、デザイン業務もこなしながら、コンシューマ、ソーシャル、アーケードと幅広いジャンルのプロジェクトを経験する。退職後にスクウェア・エニックス入社。新規ゲームのキャラデザイン、アートディレクションなどを担当。『ブレイブリーデフォルト ブリリアントライツ』キービジュアル、主人公イラスト、3Dキャラアートディレクション『Visual Works Character Prototype』オリジナルキャラクターコンセプトに携わる。現在は「SYMBIOGENESIS」のクリエイティブ・ディレクターとして企画、ゲームデザイン、シナリオ、アートディレクション、キャラデザインなどを一手に担っている。

SYMBIOGENESIS Marketing Director:岩井 啓晃氏

2013年よりゲーム業界に身を置き、マーケティング分野で数々のプロジェクトに携わる。2022年にスクウェア・エニックスに入社し、web3プロジェクト「SYMBIOGENESIS」を含む複数タイトルのマーケティングディレクターとして、ブロックチェーン技術を活用した新たなゲーム体験の創出に尽力。長年の業界経験を活かし、次世代エンターテインメントの可能性を切り拓くことに注力している。

※以下、インタビュイーのお名前は敬称を略させていただきます。

コンサル導入決定時の背景と課題

    

SYMBIOGENESISの世界とキャラクター(出典:https://symbiogenesis.app/shop/)

コンサルティング導入前の課題

川口:「チーム立ち上げと企画を進める中で、当初マーケティングのどんな課題を解決したくて、弊社を含めたweb3コンサルティングの提案を聞かれていたのでしょうか?」

玉手:「多くのweb3プロジェクトがDiscordを利用していたので、私たちもDiscord導入を検討していました。ただ、web2ではMMOなどのゲーム運営でDiscord事例はあったものの、web3文脈に特化したDiscordの運用例は主に海外プロジェクトに限定されてましたよね。

他にも、Discord運用に長けていて、特にweb3の専門知識を持つ企業は当時はほとんど存在しませんでしたから。この状況下で、海外のweb3文法を取り入れたチャット設計や運用の具体案、モデレーターやコミュニティマネージャーの採用などの課題をどのように解決するかが重要な焦点となっていましたね。」

0xCにコンサルを決めたポイントは?

川口:「弊社に決めたポイントはどこだったんですか?」

玉手:「モックが素晴らしかったですよね。」

川口:「具体的にはどんなところがよかったですか?」

玉手:「わたしたちは、QA(Quality Assurance=品質管理)をすごく大事にしているんですね。Discordでわたしたち運営が答えられないこともあるので、その導線を作り込んでくれたのは安心感ありましたね。

Mee6*1などのボットを駆使しながら(仕様上)『ここはこういう動作になります』、『これはできますが、これはできません』といったように素早く返答してくれたので、企画が立てやすかったのもよかったですね。」

豊田:「実際に見せてもらってイメージが湧くっていう、あのプレゼンテーションがすごい良かったですよね。」

川口:「web3プロジェクトの中でも、SYMBIOGENESISは、特にコミュニティ✖️NFTで、新しいユーザー体験を作ろうとしているプロジェクトですよね」

豊田:「いかにゲームとの連動性があって、シームレスにゲーム体験をユーザーに届けるか?がずっと課題であり、いまだに答えが見つかっていない部分でもありますね。」

*1 Mee6:Discordサーバー向けの多機能ボットの名称。サーバー管理やコミュニティのエンゲージメント向上に役立つ機能を提供しており、SYMBIOGENESISにおいては、チートユーザーの排除や、キャンペーンの導線設計に活用した。

コンサルティングサービスに関する評価

web3マーケティング戦略に関する評価

川口:「初期のマーケティング戦略、認知・ユーザ獲得のアドバイスに対する評価を聞かせてください。」

玉手:「まずスペシャルアドバイザーを招聘して、NFTコミュニティを20くらいお声がけしてくれましたよね。(参考リンク)あれはすごく勉強になりました。BAYCとAzuki*2の日本や、韓国、シンガポールのコミュニティにつないでくれたじゃないですか。」

川口:「とにかくトップのNFTコミュニティのご意見を聞いたり、協力してもらったりしないとマーケティングにならないとおもっていたので、スペシャルアドバイザーの方々にもとても助けられましたね。」

玉手:「その他にも公開していない企業やコミュニティとの打ち合わせをする機会を多く作って頂いて、我々よりも先行して取り組んでいる人たちの意見を聞けたのがものすごく勉強になりました。ですがトレンドの変化が速すぎて、コラボなどの提案するときになかなかこちらの企画がまとまらない、など課題がありましたね。」

豊田:「いろいろ企画とかアイデアはあったんですけどね。最終的にお客さんが面白いと思えるところが成立するところまで持っていけなかった、エンゲージメントについて深く話せなかったところが、もったいなかったですね。」

*2 BAYCとAzuki:BAYC(Bored Ape Yacht Club)は、Yuga Labsによって2021年4月に発表されたイーサリアムブロックチェーン上のNFTコレクション。Azukiは、Chiru Labsによって2022年1月にリリースされたイーサリアムブロックチェーン上のNFTコレクション。どちらもNFTブームを牽引した有名なプロジェクトのひとつ。

コンサル会社としてきちんとソリューションを提供できる

Discordの機能を活用したキャンペーン設計

川口:「コミュニティ構築・運営に関するコンサルティングに関してはどうですか?」

豊田:「一般的にインフルエンサーからコミュニティに接続して、情報を広めていくという手法がありましたが、それだけではゲームには来ないってことは、あらゆることを試してわかりました。

コミュニティに情報を伝えてもエアドロがないと難しいですし、特に海外のコミュニティは金銭的な価値がわかりにくいと伝わりにくい部分がありました。そんな中で、0xさんのいいところって、プロダクト作りができるところじゃないですか。」

川口:「プロダクト、ですか…?」

豊田:「なんというか、結局ソリューションなんですよ、コンサルに求めるものって。我々が『こういう風にAllow Listキャンペーン*3をやりたい』と企画した時に、0xさんはそこに寄り添って仕組みを作ってくれるじゃないですか。

コミュニティの定義っていろいろあると思うんですけど、Discordに限っていうなら、(Discord体験そのものが)クリエイティブになってこないと、ユーザーが楽しめないと思うんですね。

だから0xさんはソフト面よりハード面の方が強い会社だなと思ってて。そういう意味では、確実にここは他社と違うと言えるんじゃないですか。我々がしたいことに対してのソリューションのパッケージの出し方は、すごくいいなって、いつも思っていたので。」

*3 Allow Listキャンペーン: NFTプロジェクトやweb3プロジェクトが特定のユーザーに優先的にNFTの購入・ミント権を付与するためのキャンペーンのこと。プロジェクト側が設定した条件をクリアしたユーザーに優先獲得権限を付与できるため、転売目的の購入や投機的動機のみでの購入者ではなく、純粋にゲームを遊んでくれるユーザーに参加してもらいたいときに使われる手法。

クリエイティブとビジネスのバランスを考えられる

豊田:「ビジネスとクリエイティブっていうのは、 一直線なわけですよね。今回のSYMBIOGENESISだと、ストーリーを持ってるキャラクターだったり、かたや価格の上下があるので儲かるかもって期待があったりとか、色々な文法が入ってきてややこしいと思うんです。

でも、だからこその体験価値があるから、それに対してこれはこういう風な提供の仕方売り方した方がいいんじゃないですか、っていう提案が、 ビジネスとクリエイティブのバランスがないとできないと思うんですよ。」

川口:「たしかに、SYMBIOGENESISの世界を理解して、マーケティングにどう落とし込むか?はかなりの議論をして、いろいろなことを試しましたよね。」

豊田:「クリエイティブを見て宝探しをするっていう、ゲームのスキームに合わせて色々調整してみたりとか、どういう風にお客様が遊ぶかの設計は、内容知ってないとできないと思います。

本当にビジネスとクリエイティブのバランスを作ってコミュニティに楽しんでもらうのかという流れがちゃんと作れそうだなと思ったので、クリエイティブに理解を示してくれるのはよかったですね。

やっぱりプロダクト作れるって強いっすよ、本当。うん、あれだけ作れるのはすごいですよ。」

0xC運営コミュニティ「LGG」メンバーのエンゲージメント

  

LGGメンバーとスクウェアエニックスオフィシャルパーティーで記念撮影

川口:「少し視点を変えて、弊社運営の『LGG』コミュニティからの、ユーザーの参加に関してはどうでしたか?岩井さんからのご意見もいただきたいです。」

岩井:「LGGさんのコミュニティは、お世辞抜きで、今めちゃくちゃ活躍しています。ゲームのデータを見てもわかる通り、かなりの時間をゲームでもコミュニティでも遊んでいただいています。」

川口:「ありがとうございます。夜中の23時にボイスチャットで攻略の議論をしているくらい、SYMBIOGENESISが大好きなメンバーが多いので、運営からそのように評価してもらえるのは、コミュニティメンバーとしてもとても嬉しいと思います。」

岩井:「オフラインイベントで話した時も、凄くSYMBIOGENESIS愛を感じましたね。僕はゲームのマーケティングを長いことやっていますが、自分でグッズを作ってコスプレ衣装まで作っちゃうユーザーさん(airinkos。Xアカウントはこちら)に出会うことが数えるくらいしかなかったので、それがこのweb3のプロジェクトで会えるのはシンプルに嬉しかったです。」

川口:「他のweb3のコミュニティと違うなと感じるところはありますか?」

岩井:「web3のコミュニティの印象ですと、トークンやエアドロの情報がメインになっている印象がありますが、ゲームだったりプロジェクトの理念に共感して、楽しんでいるみたいな印象があります。

『おすすめのコミュニティありますか?』って聞かれたら、しっかりプロジェクトの意味をつたえられるというか、しっかり聞いてくれるコミュニティだって紹介するとおもいますよ。」

玉手:「そもそもweb3に関わっている人たちって新しい技術や新しいものに興味をもっている人たちが多いと思います。その中でもLGGは新しいチャレンジをしたい人が多く集まっている印象でして、「大人の青春」っていうのがコンセプトだと思いますが、SYMBIOGENESISのコミュニティで遊ぶというところにすごくマッチしているのかなって思いました。」

川口:「そうですね!僕らのコミュニティのテーマがまさに”挑戦”なので、挑戦をしているプロジェクトにはシンパシーを感じやすいのもありますね。」

岩井:「それぞれのコミュニティさんにはそれぞれの良さがあるという前提でお話しすると、LGGさんはとにかく無類のゲーム好きが多い印象です。

ゲームとして合わないならやらないし、合う・面白いと思ったらとことんやる、そんなゲーマーの方々が集まっているなと感じました。そんな印象の中でSYMBIOGENESISをしっかり遊んでくれている姿を見ると、とても心強く感じていました。

なのでゲーム性を推したプロモーションを展開していくならオススメしたいコミュニティですね。」

弊社のサービスをどんな会社に薦めたいですか?

ブロックチェーンを通して社会をよくしたい会社

川口:「最後に、弊社のコンサルティングサービスをどのような会社さんに紹介したいと思うかお聞かせください。」

玉手:「SYMBIOGENESISでは実装をしませんでしたが、ゲーム内での(FTによる)トークンエコノミクスはまだ可能性があると思うんですよ。

ゲームはコミュニティ作りやすいけどトークン設計しにくい、非ゲームはトークン設計しやすいけどコミュニティ作りにくい、などそれぞれ課題はあると思います。

トークンエコノミクスとゲームKPIとコミュニティ、この3つに対してお話しできる経験値があるので、間違いなく強みになりますよね。」

豊田:「SYMBIOGENESISはこれまでなかった新しいゲームデザインで、ゲームとトークンエコノミクスを結びつける意味の伝え方がすごく大事なプロジェクトです。

ブロックチェーンにソシャゲ市場と違う価値を見出す場合、ゲームデザインと関係なく、ブロックチェーンを加えるだけのデザインだと企画・ビジネスとして破綻してしまいますよね。

ブロックチェーンならではの遊び・ゲームデザインを考えて、ビジネスとしても成立させる必要がある、と今の市場を見ていても思うんです。

そういった『従来とは違う価値、web3だからこそ作れる新しい価値観を一緒に創出したい、突き詰めていきたい』というプロジェクトと御社は相性がいいと思います。そこに期待したいですね。」

玉手:「web3って便利だよね、web3があってよかったよねと言えるのものを広げることが、市場的に必要だと思いますし、そういうプロジェクトとの相性がいいと思います。

例えばフードロスの問題など、日本の余っている食を足りない地域にシェアすることを考えたときに、そういった国家間のエコシステムの差分を、法定通貨に依存しない取引でまかなえるようになると、ブロックチェーンの理念に沿うようなサービスになるんじゃないかと思っています。

経済格差をうまくトークンエコノミクスに落とし込んで、 余ってるものを余ってない人たちに提供してあげて、それの代価でトークンがもらえる、といったようなことをやりたい会社さんはいいんじゃないでしょうか。」

川口:「そうですね。ただマーケティングなどをやるわけではなく、トークンエコノミクスやブロックチェーンの本質を考えて、それをじゃぁゲームに落とすとどうなるの?っていう話はみなさんとも議論してきましたよね。

ブロックチェーンを使うと社会はどうよくなるの?という本質を大事にサービス開発したい会社さんにオススメできるっていうことですかね。」

web3に知見の浅い、壁打ち相手を探している会社

川口:「岩井さんはマーケターとして、さまざまな代理店さんとお仕事をされていると思います。その観点から、弊社は他のエージェンシーと比較してどうでしょうか?」

岩井:「これも各社それぞれの強みがあるという前提ですが、御社の強みは丁寧なロジック構築と分析に基づく提案力だと思っています。」

川口:「そうなんですね!それは嬉しいです。」

岩井:「御社の強みは長いコンサルティング経験の中で、いくえにも重なった成功と失敗から得たナレッジを、丁寧に上流から説明するところで、資料も含めてとても綺麗ですし見やすく分かりやすかったです。

上流で戦略を設計するところと、それを施策に落とし込むところと、落とし込んだら実行までは、3段階あるとしたら、御社の場合はトータルのバランスが良く、特に上流設計のところがすごく丁寧に作られる企業様なので、 よりweb3の知見がない企業様ほど価値を感じていただけるんじゃないかなと。

web3をあまりよく知らないけれど、これからブロックチェーンで新しいことをやりたいと思う会社の方には、ビジネスが成功するかの壁打ち相手にもなるし、すごくいいんじゃないかなと思います。」

川口:「ありがとうございます!」

インタビューまとめ

 

『SYMBIOGENESIS』チームへのインタビューを通じて、あらためてブロックチェーンの社会実装の意義について考えさせられる時間となりました。

web3プロジェクトのマーケティングやコミュニティ形成を考えるときは、プロジェクトごとの思想を、web3のトレンドや文脈にいかにフィットさせ、ユーザーにプロジェクトのビジョンに共感してもらい、応援してもらうのかがすごく重要になります。

そのため冒頭の「WHY web3?」に対して、しっかりとしたビジョン・構想を持っている必要があります。そういったプロジェクトの上流のデザインから、実際のマーケティング選略、コミュニティ形成まで幅広いコンサルティングサービスが提供可能です。

web3事業に関するお悩みをお持ちの方は、0x Consulting Groupにご相談ください。


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